物忘れ外来とは?
“物忘れ”が気になっている人のための外来です。高齢になると“物忘れ”が多くなってきます。
その多くは年齢相応の自然老化によるものですが、「もしかしたら認知症ではないか?」と不安に思っておられる方のために『物忘れ外来』を行っております。
当院の『物忘れ外来』では患者様の“もの忘れ”が老化によるものなのか、それとも病的なものなのかを診断して必要に応じて適切な治療を行います。
物忘れ外来を受診するには
『物忘れ外来』は、初回予約制をとっております。
毎週、火曜日の午後4時からと、金曜日の午前9時から受診していただけます。
(2回目以降は谷本院長の一般外来で診療いたします)
運転免許証更新時の臨時適性検査や免許証自主返納の相談に対応しています。
初めて受診される方は、当院の外来窓口又はお電話(代表:06-6431-0015)で予約をお取り下さい。
受診にあたって、事前に記入した問診票をお持ちいただくと受付がスムーズに進みます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
どんな診察・検査を行うのですか?
最初に診察までの間に問診表に記入していただきます。それをもとに、ご本人と介護されている方の両者から別々に話を聞き、患者様の神経症状や身体合併症などを診ていきます。
そのため初回は必ず身近な方(今までの経過をよくご存知の方)と一緒に来て頂くようにしています。
患者様の病状により異なりますが、一般的には以下のような検査を行い鑑別診断いたします。
1)改訂長谷川式簡易知能評価スケール
簡単なテストですが認知症の疑いがあるかどうかの目安にすることができます。
2)CTによる画像検査
頭の中の病気のチェックや脳の萎縮の有無、程度等を調べます。必要に応じてMRIや脳血流測定などを他院に依頼して検査します。
3)血液検査
全身状態のチェックとともに、認知機能に影響するホルモンやビタミンの測定などを行います。
4)脳波検査
頭の中のそれぞれの部位の働きを調べます。
どんな治療を行うのですか?
治療法は原因や症状によって違います。
アルツハイマー病や脳梗塞、甲状腺機能低下症などの内科的原因の場合は、内服治療をしながらリハビリによって脳に刺激を与えるよう生活指導を行ないます。
また、原因によっては手術が必要なケースもございます。
いずれも原因が一つだけでなく複合していることもありますので、各々のケースによって治療法は異なってきます。
早期受診の必要性について
認知症と診断された場合でも、適切な治療を行えば治ることや、早い段階で治療を始めれば進行を緩やかにすることができます。
一番大切なのは、なるべく早い段階で発見し治療を開始することです。
物忘れ外来担当
院長 谷本道則
物忘れと認知症
物忘れとは
脳の神経細胞の減少や機能低下による老化現象のことで、年をとるにつれて誰にでも現れるものです。
認知症とは
脳や身体の疾患を原因として、記憶・判断力などの障害がおこり、日常の生活に支障をきたした状態のことです。
日本では65歳以上のお年寄りの10人に1人が認知症といわれています。
こんな症状ありませんか
・同じことを言ったり、聞いたりする
・時間、日付、場所の感覚があいまい
・財布を盗まれたと言って騒ぐ
・ささいなことでも怒りっぽくなった
思いあたる方は、もしかすると老化によるもの忘れではなく認知症かもしれません。
物忘れと認知症の違い
物忘れ
- 体験の一部を忘れる
- 場所、時間などの見当がつく
- 日常生活に支障がない
- 物忘れに対し自覚がある
認知症
- 体験の全部を忘れる
- 場所や時間の見当がつかない
- 日常生活に支障がある
- 物忘れに対し自覚がない
認知症は予防できるの?
予防は難しいけど、生活習慣病などの原因を治していくことが大切です。
- 栄養バランスの良い食事をとる
- 適度な運動をする
- 早寝早起きで1日のリズムを整える
何かに興味を持つなど、気分転換することも大事ですね。
認知症の心の状態
認知症の方は、自分の感じとった世界で懸命に生きてます。
ただ、脳の障害によって、表現の仕方・行動の仕方にズレが生じているだけなのです。
自分の言動を認めてもらえないと思ったとき、強い不安感・怒りを感じ、抑うつや徘徊などにつながることがあります。
頭ごなしに否定せず、本人の気持ちを理解し、温かい気持ちで接することが大切です。
認知症を理解しよう
ご家族や周りの方は、最初は戸惑うことがあるかと思います。
認知症という病気を正しく理解し、ちょっとした心がけや工夫をするなど、楽な気持ちで接してみましょう。
認知症も早期発見が大切です
早期発見すれば進行を遅らせたり、治る場合もあります。
「おかしいな」と思ったら、精神科などの専門の病院または、かかりつけの医療機関、市町村の介護保険担当窓口などに相談してみましょう。