COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、長期間の喫煙などによって引き起こされる「肺の生活習慣病」と言われています。
この病気は、本来の肺構造が破壊されて空気がたまってしまい、うまく息が吐けなくなる病気です。鼻や口から吸い込んだ空気は気管や気管支を通って肺へ送られます。そして、肺の中の肺胞と呼ばれるところへ到達します。肺胞はぶどうの房のような形をしており、その一つ一つには空気が含まれていて、酸素を血液中に取り込んで二酸化炭素を排出する働きをしています。肺気腫はその肺胞一つ一つの壁が壊れてしまった状態になっています。組織が破壊されると、空気がたまりうまく息が吐けず、息苦しくなります。
喫煙者や長引く咳や痰・息切れといった症状がある方は、COPDかもしれません。この病気は、大部分の方は自覚症状が少ない事も多く、気づいたら悪化していたということもあるので、一度セルフチェックしてみましょう。
COPDを放っておくと症状が進み日常生活に支障が出ることもあります。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を合併していることも多く、少しでも気になったら早めの受診をお勧めします。
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原因
一番の原因は『タバコ』です。喫煙者の15~20%がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症します。タバコによって肺胞の組織が破壊され、空気をうまく外に押し出せなくなり息苦しくなります。また、大気汚染や家族や職場に喫煙者がいるなどの生活環境が原因になる事もあります。
症状
- 1日に何回も咳が出る
- 肺炎などの感染症にかかりやすくなる
- 運動時、動作時に息切れをしやすい
- 頭痛
- 1日中痰が絡む
- 口すぼめ呼吸
- ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音がする
- チアノーゼ
- 体重減少
- ばち指(指先がバチ状に膨らみ爪が丸くなる)
肺気腫の症状は、上記のような呼吸症状が中心となり非常にゆっくり進行します。
そのため、症状がなかなか現れず、重症になってから気づくといったケースもあります。
近年では、肺の炎症が広がることにより、全身に影響をもたらすことが問題視されています。全身に炎症が広がると、以下のような障害が出現します。
- 骨粗鬆症
- 骨格筋の機能障害
- 代謝障害
- 栄養障害
- 心臓や血管の障害
- メンタルの障害
検査
- 問診
喫煙の有無や期間、仕事に関することや喘息の有無などについて聞きます。
→事前にセルフチェックしてみるといいでしょう。
- 肺機能検査(スパイロメトリー)
大きく息を吸ったり、吐いたりして、息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む力を調べる検査です。
- 画像検査(レントゲン・CT)
- 血液検査
治療
治療には、禁煙、薬物療法(吸入・内服治療の管理)、酸素療法、栄養療法(バランスの良い食事)、呼吸リハビリテーションなどがあり、患者さんの状態に応じて、医師が組み合わせを判断します。
安定期の管理がとても重要になるので、症状がないからといって自己判断で治療を中断することは禁物です。また、風邪やインフルエンザなど呼吸器等の感染症を機に症状が悪化することがある為、バランスの良い食事をとり、日々の感染予防(予防接種、手洗い、うがい)もとても大切です。